洗えば
治るとは限らない
頭皮のにおいとフケは、洗い方の問題である場合と、皮膚の状態の問題である場合があります。混同すると、洗いすぎて悪化します。
頭皮のにおいを気にして1日2回洗う。フケが出るので強く洗う。どちらも、状態によっては逆効果になります。まず原因を分けます。
3つに分ける
対応の仕方がまったく違う3つ
①洗い方・生活習慣によるもの。すすぎ残し、乾かさない、洗いすぎ、寝具の汚れ。ここは自分で変えられます。
②頭皮環境の乱れ。皮脂の量、乾燥、常在菌のバランス。製品の選び方で変わる範囲。
③皮膚の疾患。脂漏性皮膚炎、頭部白癬、乾癬など。市販品では対応できません。皮膚科の領域です。
市販のシャンプーで解決するのは①②です。③に該当するものを②の方法で長期間続けるのが、最も時間を失う進め方になります。
見分けの目安は後述しますが、原則として「かゆみが強い」「赤みがある」「数か月続いている」場合は、自己判断で製品を試し続けずに一度受診してください。
においの発生源
頭皮のにおいは、皮脂そのものではなく、皮脂が酸化・分解されたものから生じます。したがって、対策は「皮脂をなくす」ではなく「皮脂を残さない・酸化させない」になります。
においが強くなる典型的な要因:
・すすぎ不足。シャンプーの成分が残ると、それ自体が汚れになります。洗う時間より、すすぐ時間のほうが重要です
・乾かさない。濡れたまま放置すると、菌が増えやすい環境になります。これが最も多い原因です
・枕カバー。頭皮の皮脂が最も長く接するもの。数日で相当量が付着します
・帽子・ヘルメットの常用。蒸れる時間が長い
・整髪料の洗い残し。特にワックス系
この5つのうち、「乾かす」と「枕カバーを替える」の2つは、費用ゼロで今日から変えられます。製品を買い替える前に、まずここを2週間試すのが順序として合理的です。
フケの2種類
フケは大きく2種類に分かれ、対処が正反対です。ここを取り違えると悪化します。
①乾性のフケ(パラパラした細かいもの)
頭皮の乾燥が背景にあることが多い。洗浄力の強いシャンプー、洗いすぎ、熱いお湯が悪化要因になります。対策は洗浄力をやや控えめにし、回数を減らす方向。
②脂性のフケ(湿ってべたつく、大きめのもの)
皮脂の量や、皮脂を栄養にする菌のバランスが背景にあることが多い。洗い残しが悪化要因になります。対策は丁寧に洗い、しっかりすすぐ方向。
つまり、①で「もっと洗おう」とすると悪化し、②で「洗いすぎかも」と回数を減らすと悪化します。自分がどちらかを見てから対策を選んでください。
ただし、②が強く出ていて、赤みやかゆみを伴う場合は、脂漏性皮膚炎などの可能性があります。この場合は市販品ではなく皮膚科です。
洗いすぎが招くこと
においが気になる人ほど、洗う回数を増やしがちです。しかし、皮脂を落としすぎると、体は不足を補おうとして皮脂の分泌を増やすことがあります。
結果として、洗う→乾燥する→皮脂が増える→においが出る→さらに洗うという循環に入ります。心当たりがあれば、まず回数を戻してください。
目安として:
・1日1回で足りることが多い(汗を大量にかいた日は例外)
・お湯の温度は熱くしすぎない(熱いほど皮脂が落ちますが、必要な分まで落ちます)
・爪を立てない。指の腹で。傷が炎症の入り口になります
・洗う時間より、すすぐ時間を長く
頭皮環境に配慮したシャンプーの内容を見る
洗浄力・成分は製品により異なります。区分をご確認ください。
- 医薬部外品・化粧品の区分をご確認ください
- 掲載内容は各社公式サイトの公表値です
- 効果には個人差があります
受診を考える目安
次に当てはまる場合は、市販品を試し続けるより皮膚科の受診が近道です。
・赤みがある
・かゆみが強く、掻いてしまう
・フケが厚く、かさぶたのようになっている
・特定の場所だけに集中している
・脱毛をともなっている
・数か月、対策しても改善しない
・顔(眉、鼻の脇)にも同様の症状がある
最後の項目は見分けの手がかりになります。頭皮だけでなく顔にも出ている場合、頭皮だけの問題ではない可能性があります。
受診をためらう理由として「大したことではないから」という声がありますが、皮膚科では日常的に扱われる相談です。数か月分のシャンプー代より、一度の受診のほうが安く済むこともあります。